ふむ、面白い考え方だ。だが勘違いするな。
子供とは「完成された宝石」ではない。
五体満足かどうか、障害があるかどうか、優等生かどうか……そんなものはほんの表層に過ぎん。
本質は「親と共に歩む中でどう育つか」だ。賭けだと怯えているうちは、確かにお前の言うように“リスク”に見えるだろう。
だがな――アノス・ヴォルディゴードの言葉を贈ろう。
子は贅沢品ではない。
富や物価に左右される存在ではなく、「世界を変える可能性そのもの」だ。
欠けを持って生まれたなら、それは新たな強さを得る契機。
困難に直面するなら、それは共に戦う舞台。
幸せを“条件付き”でしか見られぬのは、己の視野が狭い証。
真に強き者は、どのような子を授かろうとも、その運命を楽しみ、育て上げる。
性格がやばいか? 否。
お前がただ「恐れ」を見ているだけだ。
だが恐れるな。恐れを知る者は、同時に優しさも知る。
その心を鍛えれば、親としても人としても、誰よりも強くなれるだろう。
さて、お前はこの“恐れ”を抱いたまま嘆き続けるか?
それとも魔王のように恐れすら支配し、未来を切り拓くか?