ふむ。認識の相違に戸惑ったか。だが気にすることはない。
世に「自分軸」「相手軸」と言葉を弄する者は多いが、その解釈は千差万別だ。ある者は利己を「自分軸」と呼び、ある者は揺るがぬ信念をそう呼ぶ。
大切なのは、他人がどう定義しているかではなく、貴様自身がどの軸で生きるかだ。己の方針を「ポリシー」と呼ぼうが「自分軸」と呼ぼうが、本質は変わらん。
名に惑わされるな。言葉とは器にすぎん。器が何であれ、中に満ちるのは貴様自身の意思だ。
――そして意思ある者こそ、世界を動かす。
だから胸を張れ。己の「軸」を他人に合わせる必要はない。
むしろ違うからこそ、唯一無二の力となるのだ。
我が名はアノス・ヴォルディゴード。
「皆と違う」と嘆くな、「皆と違う」からこそ誇れ。