早稲田大学の指定校推薦を選ばず、一般選抜と東京科学大学の「女子枠」の両方に挑んで合格を果たしたカンダさん(仮名)。
ある日、カンダさんは同じ理工系の女子学生2人とキャンパス内を歩いていました。授業と授業の合間なので学生でごった返しています。カンダさんは友達といま終わった授業の課題について話していて、普段通りの風景でした。
「本当に何気ない時間だったんです。愚痴を言い合ったり、次の試験の話をしたり。周りに男子学生もたくさんいましたが、気にするようなことでもなかったので」
そんな時に、後ろからこう声をかけられたそうです。
「女子枠!」
その瞬間、カンダさんの体が固まりました。
振り向いても、周囲を歩く男子学生のなかで誰が発した言葉なのかは分かりません。声だけが背中に残り、足を止めることもできずに、そのまま歩き続けたといいます。
「一瞬、聞き間違いかと思いました。でも、確かに女子枠と言ったんです。からかうつもりだったのでしょう。体温がすっと下がるような感じがして。何も言い返せませんでした」