6月の半ば、梅雨にしては珍しくカラッと晴れて比較的涼しい日の放課後。友人から「一緒に帰ろう」と声をかけられた、が、友人から委員会の仕事があるから待っていて。と告げられた。
特に習い事もしていなかったので了承をし、外で待つことにした。私が通っていた小学校には当時、ジャングルジムとターザンロープを一緒くたにしたような遊具があり、ジャングルジムのところにランドセルを引っ掛けて体をもたれかけていた。ぼーーーっとしながら2回瞬きをした時、何かおかしいことに気づく。
あれ?なんか静か?
うっすら目を開くと、目の前に立っている桜の木の根元あたりに、白いレースカーテンのようなモヤがかかっているのが見えた。なんだろう?と思って木をなぞるように見上げると、カーテンのように見えていた白い布は木にまとわりつくような形のノースリーブのワンピースの形をしていた。巨人サイズとも言える大きさにびっくりしていると、首元のあたりに、人の首のような影が。不思議と怖くはなく、桜の木のサイズの人間がいる、と認識した瞬間友人から肩を叩かれた。
「帰ろー」
翌日から、あんなに盛り上がっていた妖精ごっこはパタリと鳴りを潜めた。